ファンタジア

ファンタジア(1940) ディズニー製作のアニメーション映画

日本で初めて公開されたのは1955年だが、私が映画館
で観たのは、小学校の3,4年生くらいだった。

オーケストラによる、8曲のクラッシック音楽のイメージに
合わせて作られたアニメーションで、セリフはほとんどない。

調べてみたら、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」や
ベートーヴェンの「田園交響曲」やら、それこそクラシック
の超名曲が使われていたようなのだが、私の記憶に
鮮烈に残ったのは「禿山の一夜」(ムソログスキー)
しかも動画サイトで検索していたらありました(嬉)

山の頂から現れる巨大なサタン、コウモリ、悪魔
幽霊、妖怪、骸骨、妖精?とにかくありとあらゆる
邪悪なものが、音楽に合わせて踊る、踊る。
闇の世界の住人総出演という感じで
今見ても萌えますwww

もともと家でクラシックを聴くような環境で育った
わけでもないので、最初のうちはそんなに面白い
と思って観てなかったような気がするが
「禿山の一夜」でくぎづけに。長く記憶にとどまる映画に
なった。次点はミッキーマウスが出てくる「魔法使いの
弟子」
でも実はサタンだと思っていたのは、ロシアの民話に
出てくるチェルノボクという地霊なのだそうだ。

そして、半年ほど前に読んだ高村薫さんの「冷血」の
中に、この「ファンタジア」に言及した記述があって
ちょっとびっくりした。

「水桶を持った箒があとからあとから階段を降りて
いって止まらない話。ガキのころ、マジで怖かった」
一家四人を殺した殺人犯、井上克美の述懐。
「魔法使いの弟子」のワンシーンだ。
比べるのも畏れ多いが、高村さんは私よりも少し年長。
「魔法使いの弟子」の三角の屋根の家や、水桶を運ぶ
箒の群れを怖いと感じたのは、高村さんご自身の幼時の
体験だったのだろうか。

2570円
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三匹荒野を行く

三匹荒野を行く(1963) 監督はフィレッチャー・マークル
               ディズニー製作の実写映画

私は一人っ子だったけれど、物心ついた頃から家には犬と猫
がいた。そういう環境で育つと、動物は本当の兄弟のようなも
のだ。だから私は、動物との間に距離感がないし、人間が相手
よりもむしろ動物のほうが好きかもしれない。

 当然、動物が出てくる映画も大好きだった。ディズニーの映画
は、アニメと動物の記録映画が二本立てになっていることが多
かったような気がするが、その中で「三匹荒野を行く」は、めずら
しくストーリーがある作品。原作はカナダのシーラ・ハーンフォ
ードの児童書。原題はThe Incredible Journey

カナダの雄大な自然が背景で、若いラブラドールと、年老いた
ブルテリアとシャム猫の三匹が、元の飼い主の家を目指して
300キロの旅をする。たくさんの困難と危険を乗り越え、三匹
が飼い主のもとにたどりつくラストは感動的だった。当然原作も
読んだ。

何が一番気に入ったかというと、何といっても猫が活躍する
から。私は多分子どもの頃から、猫が大好きだったのだ。
「ベンジー」とか「ラッシー」とか、日本なら「ハチ公」とか、
犬が主役、犬が活躍する映画やドラマは多いが、猫は少ない。
犬と違って、人間の言うことをあまり聞かないから、猫に演技
をさせるのはかなり難しい。だからこの映画と、もう一つ「シャム
猫FBI/ニャンタッチャブル」は、猫が活躍するというので、大の
お気に入りだったわけだ。

人間の映画で「感動する」というものには、当時からあまり興味
がなくて結局「サウンド・オブ・ミュージック」とかも観なかった。
今でも動物となると、犬や猫だけでなく、もうペンギンだろうが、
ゾウだろうが、猿だろうが、とたんに涙腺の元栓が崩壊したよう
に、うるうる、ぐしゅぐしゅになるので困る。いい年をして、不覚
にも歯医者さんの待合室で「ハッピー!」という盲導犬のマンガ
を読んでいて泣きそうになり、たいへん困った恥ずかしい思い出
もある。

「三匹荒野を行く」は「奇跡の旅」というタイトルで1993年に
リメイクもされている。
エミール・ジェネスト
2698円
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スペードの女王

家にテレビを置かないかわりに、本はずいぶん自由に買って
もらえたので、いわゆる名作とか良書とされるものは
大体小学生の間に、子供向けのダイジェスト版で読んだ。

その中でも特に好きだったのが「スペードの女王」(1834)
ロシアの作家、アレクサンドル・プーシキンの短編。
白っぽい表紙の世界名作全集の中に、短編ホラーばかり集めた
ものがあって「月長石」などと一緒に収録されていたような気がす
るが、定かではない。

工兵士官のゲルマンは、毎夜カルタの勝負が開かれる館の主
トムスキイから、彼の祖母フェドトブナ伯爵夫人が、カルタの必
勝法を知っていると聞かされる。ゲルマンは夫人の館に入り込
み、拳銃を突きつけて必勝の手を教えろと迫るが夫人は恐怖
のあまり亡くなってしまった。

しかしある夜ゲルマンの枕元に夫人が現れ「3」「7」「1」の順で
カルタを張れば勝てるという。必勝の手を知ったゲルマンは、大
勝したチェカリンスキーとさしの勝負に臨み、「3」「7」で連勝する。
最後に「1」を引いて勝ったはずが、その札はスペードの女王で、
目を細めてほくそ笑むその顔は、まさしく伯爵夫人のものだった。

古い外国文学で、死んだ人間が幽霊になるという話は案外少
ない。ぱっと思い浮かぶのは
シェークスピアの「マクベス」とか、ゴーゴリの「外套」とか
「嵐が丘」それにこの「スペードの女王」くらいだろうか。
あっ、ちなみに「嵐が丘」も大好きな一冊なのだが。

ひどい目にあった仕返しに、幽霊になって恨みを晴らすと
いうのは、それこそ日本の怪談話なんかにはごまんとある。
けれどこの「スペードの女王」はただの復讐譚ではない。
幽霊は、交換条件つきでカルタの必勝法を教えてから
ゲルマンを地獄に叩き落す、頭脳派の幽霊なのだ。
短いストーリーの中に、ラストに見事なドンデンがある。
怖いより何より純粋に「すごい、面白い」と思えた。

余談だが、私が学生だった頃は、名作と言われる外国文学
の大人向けの文庫本は、ものすごく読み辛かった。
特にロシアの文学は、人名の長さと登場人物の多さ
緻密な人物や情景の描写が「格調高い」日本語で訳されて
いるのでドストエフスキーなんか、何度となく挫折した。

だから、もしも子どもの頃に、ほとんど超訳とも言える
ダイジェスト版の「スペードの女王」や「外套」に出会
ってなかったら、もしかしたら一生ロシアの文学に近寄るこ
とはなかったかもしれない。
プーシキン
778円
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プロフィール

田中偲

Author:田中偲
50年以上映画を見続けてきた、でもただのミーハーな映画好きの、備忘録的感想文

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