後妻業の女

直感で映画を選ぶと、息を詰めて観るような映画ばっかりに
なるので、さすがに体にもメンタルにも良くない。
ということで「明るい映画を」と、オンデマンドで
「後妻業の女」をチョイスした。

原作は黒川博行氏の「後妻業」 で原作は未見。

監督、脚本 鶴橋康夫
出演 大竹しのぶ 豊川悦司 尾野真千子 etc.

実話をベースにした小説や映画は多い。
前回の「葛城事件」もそうだし、「怒り」や「凶悪」
感動系の映画にもたくさんある。

そんな中「後妻業の女」は、「日本で一番悪いやつら」と同様の
コメディ仕立て。結婚相談所のパーティで知り合った資産家の
老人と結婚し、財産を乗っ取る女小夜子(大竹しのぶ)
彼女を裏であやつる黒幕で、結婚相談所の所長柏木
(豊川悦司)。父親の遺産を取られて、小夜子の犯罪を暴こう
とする姉妹(長谷川京子、尾野真知子)
それに探偵やら、小夜子の息子のチンピラやらが入り乱れて。

舞台が大阪ということもあって、会話も、しゃべり方も、登場人物
の性格も、すべてが直球勝負で、妙に生々しい。だから、何だか
いい人なんか一人もいないように思えてしまう。

この映画は、悪事を働く人間だけにスポットを当てるのではなく
一見被害者に見える人間たちの側の行動や感情も
平等にリアルに描くことで
すべての人間に共通する「業」を描いてるのかなと思う。

いい年をして、色仕掛けにだまされる老人も
たいして親の世話をしていないのに、財産をとられたとたんに
血相変えて取り戻そうとする子供たちも
そんな人間の弱さと、法の盲点につけこんで
金をむしりとろうとする詐欺師たちも
愚かさと醜さ、つまり業の深さでは似たりよったり。
だから滑稽でもあり、ちょっと哀れでもある。

しかし、観る者のそんなチンケな感傷を吹き飛ばすのが
殺されても死なない、無敵の女
後妻業界のレジェンド小夜子。
いやあ、大竹しのぶさん、すごかった!

そして、クールでかっこいい美青年トヨエツは
もうどこにもおらず、いやらしい、中年のおっさんの
トヨエツがいました(泣)でも、もうかっこつけなくていいから
トヨエツ楽しそうだったなぁ!


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50年以上映画を見続けてきた、でもただのミーハーな映画好きの、備忘録的感想文

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