モノノ怪

2007年から深夜帯で放送されたアニメだが
このアニメを家族に教えてもらったのは
かなり後になってからだった。

全編を一回観ただけで
レンタルにもなく、新品はDVDでもかなり高価。
でもこれまで観たアニメの中では
TV「攻殻機動隊」シリーズなどと並び
マイベストに余裕で入る秀作だ。
そして先行作の「怪~Ayakashi」を
未だに観れてないことが何とも心残り。

「座敷童子」「のっぺらぼう」「化け猫」などの5編
12話からなり、モノノ怪を退治できる退魔の剣を
使う謎の薬売りが、人に憑いたモノノ怪を祓う…
というような単純な話ではない。

どことどこが現実で、どれとどれが幻想なのか。
何が人で、何が怪なのか、場面ごとにくるりくるりと反転
していき、観る者を夢とうつつの見分けもつかない異界へ
誘いこんでくれる。

映像も色彩も、とにかく全てが美しい。
CGを使って、虚構と現実の境をあいまいにする手法とは真逆で
背景の静止画のように、二次元を強調することで
独特の異次元空間を見せてくれる。

そしてモノノ怪が立ち現れるゆえんは真と理と形なのだという。
その本質は、人間の内なる怨念、あるいは情念。
「モノノ怪」がただの妖怪アニメ、勧善懲悪のお話じゃないのは
私たちが生きるこの社会に存在する残酷さや理不尽を
きっちり描いているから。
そもそも、人間自体がモノノ怪なんじゃないかと
モノノ怪とは、合わせ鏡の中に映る自分たちの姿なんじゃなかろうか
と思えてくる。

私なんかも確実に何体か憑いていそうだけど
できることなら「のっぺらぼう」がいいです。
狐面ののっぺらぼうの切ない恋、素敵でした。
たとえモノノ怪だっていいじゃないか。
想いをかなえてあげたかった!



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田中偲

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50年以上映画を見続けてきた、でもただのミーハーな映画好きの、備忘録的感想文

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