霧の旗

高校を卒業して働き始めてからは
いわゆる純文学と呼ばれるような小説は
ほとんど読まなくなった。

代わりに読み始めたのが
松本清朝の推理小説。
松本清朝の作品は、映画化もされたし
当時から度々ドラマにもなっていた。

その松本清朝の作品の中でも
一番好きなのが「霧の旗」

殺人の罪で逮捕された兄の無実を
確信する柳田桐子は
高名な弁護士の大塚欽三を頼って
弁護を依頼するが断られて兄は獄死する。
そして桐子の壮絶な復讐が始まる。

この話、実はかなり理不尽な話なのだ。
大塚欽三は日本でも有数の弁護士で
当然弁護料も高額。
桐子には弁護料を払えるようなお金はない。

常識的に考えたら、彼が弁護を引き受ける
はずもないし、引き受けなかったからといって
ここまで恨まれるような筋合いの話ではないのだ。

しかしそんな理屈や常識は、桐子には通じない。
まさに「そこまでやるか」というくらい
徹底的に、完膚なきまでの復讐を果たす。
つい先日も、大竹しのぶさんが桐子を演じた
「霧の旗」が再放送されていたが
原作とは結末が違っていて
「およよ」という感じだった。
最近の堀北真希さんの「霧の旗」も
やっぱり結末が変えてあった。

桐子は大塚からすべてを奪う。
地位も名誉も、愛する人も、何もかも。
「そりゃあ、やりすぎやろう」というくらい
徹底しているのだけれど
だからこそ「霧の旗」は突き抜けた凄さがある。
やり過ぎだからこそ、現実の社会では
不可能だからこそ、すかっとする。
読み終えたらぐったりするくらい緊迫感がある。
そのラストを骨抜きにして
「桐子さんはいい人になりました」みたいにしたら
ダメじゃん。

映画やドラマになった数々の「霧の旗」の中で
最もインパクトがあったのが、三國連太郎さんが
演じた大塚欽三で、この時の桐子は
栗原小巻さんだったようだ。
当時は原作には忠実にドラマ化されていたと
思うんだけどなあ。

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田中偲

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50年以上映画を見続けてきた、でもただのミーハーな映画好きの、備忘録的感想文

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