ナオミとカナコ

今期は珍しく民放のドラマを2本観た。
「お義父さんと呼ばせて」と
「ナオミとカナコ」
ひやひやしながら「真田丸」も観ている。

「お義父さんと呼ばせて」は
「外事警察」で、渡部さんを「その顔嫌いだな」
とかってイビってた遠藤憲一さんが
渡部さんに「お義父さんっ」ってすがりつく
その逆転のキャスティングが愉しかった。
でも、渡部さん、お願いだから
あのニヒルでクールな住本さんに戻ってください(笑)

で「ナオミとカナコ」
原作が大好きな奥田英朗さんなのだけど
原作は未読。
奥田さんは「インザプール」あたりから
ややソフトな路線が増えてきたので
初期の作品ほど「読みた~い」感がなくなったのだ。
やっぱり小説は、だんぜん重量級が好き。

銀行員の夫服部達郎のDVに苦しめられている加奈子
父親のDVに悩んだ過去を持つ
加奈子の親友小田直美

達郎と瓜二つの中国人林竜輝に出会い
二人は、林を達郎の身代わりにして
失踪に見せかけて達郎を殺すという
完全犯罪の計画を立て実行する。
しかし弟の失踪に疑問を感じ
執拗に二人を追及する達郎の姉陽子によって
二人の計画は破綻していく。

予想通りとてもシンプルな構成なのに
ハラハラドキドキで面白かった。

彼女たちは、なぜ殺人という
重大な犯罪を犯すことを決心したのか。
そのキーマンが、このドラマで話題になった
高畑淳子さん演じる
怪しい中国人の女社長李 朱美。
その強烈なキャラクターもさることながら
「(DVをやるような男は)殺してしまいなさい」と
いとも簡単に言ってのける。

自分が生きてきた人生や人間関係の中で
正しいと信じて守ってきた価値観。
それを根底から覆す、180度異質な価値観との出会い。

しかも李社長の信条は「自分が生きる価値があると
思えるような自分の人生を生きる」ということ。
そのためなら、たとえ違法でも犯罪でも構わない。
このあたりの強烈さは、作者の奥田さんの真骨頂で
私なんかは、このイッチャッテル感がたまらない。

最終回は、なかなか微妙な終わり方で
おそらく怒ってる人も多いのだろうと思う。
現実的に考えたら、二人が無事逃げのびることは
ありえないのだが、それでも逃げてほしい。
だから「捕まっちゃった」という
運命に負けたような結末は観たくない。

「オリンピックの身代金」でも「最悪」でも
「邪魔」でも、この「ナオミとカナコ」でも
私は、犯罪者になった主人公たちに
思い切り感情移入していける。
「いいぞ、やれ。やれ。もっとやれ」
「捕まるなっ。死ぬなっ」という具合である。

だって、小説や映画やドラマは
倫理学や道徳の教科書でもないし
哲学や宗教の理論や教義でもないんだから
無理に結論や正論を導きだす必要はない。

死ぬまで終わらない人生の、ある断片を
どれだけ鮮やかに切り取って私たちに見せてくれるか
それが全てなのだから。

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田中偲

Author:田中偲
50年以上映画を見続けてきた、でもただのミーハーな映画好きの、備忘録的感想文

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