トーチソング・トリロジー

ネットで新作の映画情報を見ていると
ついつい、あれも観たい、これも観たいとなるのだけど。
いざ感想を書くとなると「面白くなかった」と書いても
それはただの個人の好き嫌いだから
たいして意味がないような気がするのだ。

なので、どうせ紹介するなら「これ観てほしいなあ」と思う
100点満点でいうと70点以上くらいの映画を
ということで80点越えの「トーチソング・トリロジー」を。

ハーヴェイ・ファイアスタイン原作で
自ら脚本を書いて主演もした舞台劇を1988年映画化。

ニューヨークのゲイバーで働くアーノルド(ハーヴェイ・ファイ
アスタイン)は、恋人のエドと別れたあと、純朴な青年
アランと出会う。二人は孤児を引き取り、里親になろうと
するが、アランはゲイを憎む男に殺されてしまう。失意の中
養子のディヴィッドと暮らし始めたアーノルドの前に、結婚
生活に失敗したエドが戻ってくる。

この映画は、一緒に生きていきたいと心から願う気持ちは
男と女であろうと、同性であろうと、何も変わるところはない
ということを、とても真摯に描いている。

アーノルドの母(アン・バンクロフト)は、息子の生き方を
どうしても認めることができない。そんな母親に対して
アーノルドは言う。
「僕は人に頼らず、自分のことは自分でできる。だから
人に愛と敬意以外は求めない。だから、ぼくを見下げるなら
出ていって」

親と子の価値観の違いとか、マイノリティである意味とか
いう以上にアーノルドの生き方には
人間としての本質的な矜持、誇りが感じられる。
ゲイという、一般的にはマイノリティとされる人間を描いて
ほとんど屈折した、薄暗い感情を感じさせない稀有な映画だった。

最近の、特に日本映画に登場する
「普通の」「当たり前の」生き方、人生から
落ちこぼれてしまうと、まずは「自分はダメな人間だ」という
自己否定や挫折感がベースになってしまう人間像に
何かもやもやしたものを感じることの多い今日この頃
ある意味対極とも言えるこの映画を思い出しました。

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田中偲

Author:田中偲
50年以上映画を見続けてきた、でもただのミーハーな映画好きの、備忘録的感想文

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